森宗恵茶道教室は、栃木県小山市の裏千家茶道教室です。お茶の道を、もっと気軽に、身近なものに。

おもてなし【客の粗相は、亭主の粗相】

2014.10.08

オリンピックの招致活動で、滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と日本の良さをアピールなさってから久しく時間が経ちました。
私が考える茶道における「おもてなし」の心を少しばかりおしゃべりしてみます。

 

お茶時などを催すとき、よく言われるのが「客の粗相は、亭主の粗相」です。
客→ゲスト、すなわちもてなされる側。亭主→ホスト、すなわちもてなす側。

 

亭主は一会の茶事向け、あれこれと思いを巡らします。それは客本位の物でなければいけないと私は考えます。
決して亭主本位になってはいけません。亭主本位に考えると一人よがりに終わる事があります。
お客人のバックボーンを様々に考えて当日の準備を進めます。当然当日は、お客人にとって居心地の良いものでなければ、呼ばれた方には居心地の悪い思いをさせてしまうのは目に見えています。
例えばお茶が好き、和菓子が好きという小学生のお孫さんをお連れのお客人だとしましょう。ご一緒のおばあ様が長年お茶をたしなんでおられる方でも、照準はお孫さんです。多くの事を、特に手に触れ口に入れるものはお孫さんに照準を合わせます。小学校の低学年の方なら小さ目のお茶碗、軽いお茶碗を用意し、その上さらに欲を言えばそのお子さんが喜びそうな可愛らしい絵のものとかね。お菓子も食べやすい物を選び、お味も程よい甘さの物でと自分で作るなり和菓子屋さんに相談するなり考えます。お茶も大人にお出しするよりやや温めに点てたりします。飽きないように退屈にならないように一時を過ごしてもらうことも大切です。おばあ様が目の肥えた大茶人であったとしても、高価な道具を並び立てるのはいかがかと私は思います。幸か不幸か私は持ち合わせませんが・・・・・

 

お客人が何か緊張する、リラックスが出来ない茶会というのは呼ばれた側は窮屈で、変に肩が凝り、普段はしでかさないようなことを遣ってしまう事が起こりえます。そんな時私は、こちらのもてなしにお客人に不都合を感じさせてしまった、要らぬ心配をさせてしまったとそれを芯に物事を考えます。自分のことを顧みず、相手に何かを求めるのは私の流儀ではありません。人間は知らず知らずにお互いの気持ちが呼応し合うものです。自分の緊張が相手の緊張を呼び、自分のゆったりした心は、相手の気分を安らげることが出来ると思います。

 

「客の粗相は、亭主の粗相」それは茶会に臨む亭主への心得や戒めを解くものであり、また日常の人間関係へも言える事ではないでしょうか。

 

高価な道具と共に持ち合わせていない物があります。有言実行の姿勢です。人間関係でギクシャクした時、ついつい相手の非をあげつらってしまいます。

 

どうぞ寛大にご容赦を。

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